（有）空間工房　金井建築アトリエ
陶象窯
 
  ■設計覚え書  
  京都在住の陶芸家のアトリエの、部分的なリフォーム。
相当に古い木造２階建の工房は、以前は住宅であったと思われる。玄関の踏込を入れて３帖、玄関脇が３帖の計６帖が対象。
作品が押し合い、へし合い積まれて雑然としている。この６帖のスペースが接客の場として、休憩の場として使用されていた。
この極小空間に、ギャラリーとして、そして憩いの場として、新たな顔を持たせる事が与えられた課題であった。
６帖の大きさは、茶室風の閉じられた空間を選択する事を促してくれた。下地窓を造り、花頭風の窓を造って、窓の下から トクサの緑が垣間見えるようにした。既存の柱を黒く塗り床柱に見立て、まとわりつくように変形の桐の座卓を造った。
北山磨きの棚受柱や、棚仕切りの胡麻竹もこの空間の演出に一役買っている。
凛としながらも、はんなりとした空間になったと自負している。